歯科タバコ介入とトレーニング

世界標準の歯科簡易タバコ介入

1.1 はじめに

知識、スキル、自信が向上することにより口腔保健と歯科医療の一部分として、簡易タバコ介入を、実施するために、

  1. タバコ使用による口腔の健康への影響と禁煙の恩恵を説明できる。
  2. 「5つのA」「5つのR」モデルの簡易タバコ介入を説明し、日常の診療の一部として実施できる。
  3. 効果的な禁煙補助薬の仕様を説明し、正しい使用法を推奨することができる。

ことが必要です。

1.2 プライマリケアのタバコ対策とタバコ依存治療の役割

①習慣的喫煙者率は減少から横ばいで禁煙の意思のある者は最近減少しています。

図:習慣的な喫煙者とタバコをやめたいと思う者の割合の推移(平成27年国民健康・栄養調査)
図:習慣的な喫煙者とタバコをやめたいと思う者の割合の推移(平成27年国民健康・栄養調査)

②喫煙者は咀嚼(そしゃく)機能が低いことがわかっています。

図:「なんでも噛んで食べることができる」と回答した者の割合 喫煙習慣別(平成16年国民健康栄養調査)
図:「なんでも噛んで食べることができる」と回答した者の割合 喫煙習慣別(平成16年国民健康栄養調査)

③能動喫煙は歯と口腔の健康影響に様々な影響を及ぼし、口への影響は健康専門家が見せて説明できます。

④禁煙による重症化予防、歯科治療効果の改善、受動喫煙のエビデンスが蓄積されています。また、喫煙の口腔細菌病原性への影響も明らかになってきました。

1.3 タバコ使用とタバコ依存

喫煙の健康影響が明らかになっているのに、喫煙率が下がらない、つまり、なかなか禁煙できないのは、タバコ依存のためです。タバコ依存は、

①癖になっている。日本では、あまり強調されていませんが、WHOではタバコ依存治療としています。

②禁煙する際に身体症状がある(ニコチン依存)からです。

図:タバコの有害物質(国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」『喫煙と健康 厚生労働省喫煙の健康影響に関する検討会報告書(平成28年8月)の概要を知りたい人のために』)
図:タバコの有害物質(国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」『喫煙と健康 厚生労働省喫煙の健康影響に関する検討会報告書(平成28年8月)の概要を知りたい人のために』)

1.4 喫煙と健康

日本人で、喫煙・受動喫煙と健康との関係が明らかになりました。

①喫煙と健康の関係

図:喫煙と健康との関係(国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」『喫煙と健康 厚生労働省喫煙の健康影響に関する検討会報告書(平成28年8月)の概要を知りたい人のために』)
図:喫煙と健康との関係(国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」『喫煙と健康 厚生労働省喫煙の健康影響に関する検討会報告書(平成28年8月)の概要を知りたい人のために』)

②受動喫煙と健康の関係

図:受動喫煙と健康との関係(国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」『喫煙と健康 厚生労働省喫煙の健康影響に関する検討会報告書(平成28年8月)の概要を知りたい人のために』)
図:受動喫煙と健康との関係(国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」『喫煙と健康 厚生労働省喫煙の健康影響に関する検討会報告書(平成28年8月)の概要を知りたい人のために』)
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