歯科タバコ介入とトレーニング

簡易禁煙支援

7.1 簡易介入プログラムでの位置づけ

禁煙の準備ができている(禁煙の意思がある)患者さんには、以下のような禁煙試行のための支援を行います。

①禁煙の計画を立てる支援 ②実践的なカウンセリング ③診療所内でできる社会支援 ④外部の社会支援を受けるための支援(日本は健康保険適用あり) ⑤薬物療法の推奨(適当な場合)  ⑥追加の教材の提供

7.2 禁煙支援の計画STAR

  • 設定(Set)2週間以内に禁煙開始日を設定します。
  • 告知(Tell)家族、友人、同僚に禁煙することを告げ、理解と支援を求めます。
  • 予測(Anticipate)禁煙試行時の問題の解決を予測します。
  • 廃棄(Remove)周囲からタバコ製品を取り除き、家を禁煙にします。

7.3 禁煙支援のスキル

①実践的カウンセリング

項目(問題解決/スキルトレーニング)
危険な状況の認識-喫煙または喫煙再開の危険を増加させる周囲の状況、喫煙者自身の内的状態または喫煙関連活動 ・ネガティブな影響とストレス
・他の喫煙者が周囲にいる
・飲酒
・再喫煙を促す経験
・再喫煙のきっかけとたばこの利用状況
コーピング(難しい問題にうまく取り組む)スキルを伸ばす-コーピングスキルまたは問題解決スキルを見出し実践する。一般に、危険な状況への対応を意図します ・誘惑や引き金となる状況を予測し回避することの学習
・ネガティブなムードを少なくする認知的な方略の学習
・ストレスを減らし、QOLを高め、喫煙の誘惑への露出を少なくする生活スタイルの変更の実施
・再喫煙を促すことへの対応のための認知・行動の活動の学習
喫煙と禁煙成功についての基本情報の提供 ・少しの喫煙(たとえ1回の吸入)でも、完全な喫煙再開の確率を高めてしまうという事
・禁煙後1~2週間に典型的な離脱症状が現れ、複数月は続く。これらの離脱症状は、ネガティブなムード、喫煙の促し、集中力の低下を含みます。
・喫煙の嗜癖性

※実践的なカウンセリングの実地を日常的に行うために最初の数回「禁煙セルフヘルプガイド」を用いて支援を行うと慣れてくるでしょう。禁煙セルフヘルプガイドは実践編e-learningを修了された方で介入を開始された施設に無償で提供します。実践編e-learningの開講は2018年10月を予定しています。

②禁煙治療の社会的支援

支援治療の要素
禁煙を試行している患者を励ます ・効果的なタバコ依存治療が利用できることに注意をひいてください。
・以前喫煙していた人の半数は現在禁煙していることに注意をひいてください。
・患者の禁煙する能力への自信について話し合ってください。
患者のケアと心配事を話し合う ・禁煙についてどのように感じているかを尋ねてください。
・必要な時はいつでも支援することに関心があり、意志があることを直接的に表してください。
・患者の恐怖心と禁煙の両価性について尋ねてください。
禁煙の経過を話すように励ます ・禁煙したい理由を尋ねてください。
・禁煙への関心と心配事を尋ねてください。
・患者が実践した成功を尋ねてください。
・禁煙中に直面した困難を尋ねてください。
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